やはり日が空きました。
元来、筆不精なもので・・・。
Twitterや最近流行りのClubHouseに夢中になっておりました。
宣言通り、ゲームスクリプトについて記事書きたいと思います。
ゲームスクリプターとは?
ゲームスクリプターは、ゲーム開発の現場で、スクリプト言語を用いてイベントを組み立てたり、キャラクターの動きを指定したりしてゲームを構築する役割を果たしています。また、フラグの管理なども仕事の一環となります。スクリプターは会話が中心となるアドベンチャーゲームで活躍していることが多いです。
スクリプト言語と聞くと、プログラマのようにプログラミングをしないといけないのではと思われるかもしれませんが、ゲーム開発のスクリプターは、プログラミングについての深い知識を持っていなくてもなることが可能です。
というのも、スクリプターが用いるスクリプト言語は、会社独自で作られたものが多いため、誰が見ても分かるように作られていることが多く、たいていの場合マニュアルが用意されています。シナリオ担当者や演出担当者によって作成されたマニュアルや仕様書を元に、スクリプターはゲームを構築していきます。
プログラミングなどの知識があまり必要ないということから、ゲーム開発に関係する職種の中では、比較的目指しやすい職種であると言えます。「ゲームの開発に興味があるけど、未経験」という方は、まずはゲームスクリプターやデバッガーなどから挑戦してみるとよいかもしれません。
引用:https://freelance.levtech.jp/guide/detail/573/
と、検索したら一番上に引っかかったのがこちらの記事です。
概ね異論はないのですが、これも特定の現場での一例であって
長くシリーズものとしてジャンルを変えず作っている場合や、安定した運営タイトルであれば文面通りになるのかなと思います。
逆に不安定な運営タイトルや、家庭用ゲームの開発などではスクリプト言語の選定すら出来ていない。という状態も多々あるため
上記の文言通りの仕事だ
と思って、就業を始めると面食らってしまうと思います。
ゲームスクリプトの成果物とは?
まずゴール地点から考えると、理解しやすいです。
例として自分の経験が一番あるのは3DRPGなので
ドラクエ11で・・・。(牛沢さんの動画を拝借します)
このイベントシーンをスクリプト作業して、完成させる。
とします。このシーンをスクリプトで完成させるためには
色々な素材が揃って初めてスクリプトでつなげることができます。
その色々な素材をざっくり図にするとこんな感じです。
マップ(レベル):いわゆるフィールドマップ。海外ではレベルと呼びます。
アプリ :ドラクエで言うところの合成画面やメダル交換など、スクリプトイベントからコールする事が多いです。
バトル :ボスシーンなどスクリプトイベントからコールします。
シナリオテキスト:会話文、これをベースに演技付けをします。
エフェクト :焚火の炎や、敵の攻撃などです。3D座標とタイミングをスクリプトで指定します。
3Dモデル :主人公やサブキャラ、モンスターなど。
UI/UX :メッセージウィンドウや地名表示など、画面の占有比率もあるため カメラカットに影響する要素でもあります。
3Dモーション :3Dモデルの演技です。演出を担当する人が発注しハンドリングすることが多いです。
デモカットシーン:スクリプトで制御しないイベントシーンです。デザイナー主体になり、お話し的に派手な場面がデモになるケースが多いです。
BGM :バックグラウンドミュージック、みんな大好きゲーム音楽。鳴らすタイミングと音量はかなり重要。スクリプトで制御したりします。
SE/ME :サウンドエフェクト、効果音です。これもタイミングと音量次第では台無しになります。MEはミュージックエフェクト。
BGMがミュートになって鳴る効果音です。ドラクエだと宿屋に泊まった音がそうですね。
これらの素材が揃わないと、上のイベントシーンは完成しません。
余談ですが、図で分かる通り
素材の締め切りが遅延すればそれだけスクリプト業務も圧迫されます。
予定調和で順風満帆に上手く行く!!
なんてことはクリエイティブな現場にはまずあり得ないので
スクリプトのリーダーは、遅延を予見しながら後で巻き返すような秘策を常に講じないと
まず予定通りのスケジュールに落ち着けることは難しいと思います。
自分がやっていた方法などは、また次の記事などで・・・。
これらの素材を実機上に反映するためには
スクリプトの環境を整えなければいけません。
大体下記になると思います。
前提環境
- スクリプト記述環境
(スクリプト言語の選定と記述ルール) - メッセージテキストの作成環境と運用ルール
- UI/UXの仕様策定と実装
(メッセージウィンドウや地名表示など) - バトルをコールする際の仕様作成とルール策定
(どこまでをバトルデザイン側でデータ管理するのか?など) - マップ(レベル)のギミック制御仕様とルール策定
(椅子や宝箱などの挙動仕様など、データ設定などは誰がやるのか?) - カットシーンの作成環境とルール策定
(カメラコマンドの整備と、演出付けのルール作成) - 3Dモデルの表示環境
- 3Dモーションの再生環境
- エフェクト演出の再生環境
- サウンド演出の再生環境
(素材をどのような形式で持たせて、どう運用するのか?)
というのを、開発環境が揃っていない時は
ゲームスクリプターの業務として積まれることが自分の経験した現場では良くありました。
これらは広義的には確かにゲームスクリプトの業務に最終的に帰結するため
スクリプト業務である。と定義してもいいかもしれません。
ですが、上の記事にようにゲームスクリプトは簡単だから、まずゲーム業界の登竜門として!
という動機で入った人に任せるには、荷が重すぎる内容であると感じています。
月給なども安く紹介されることが多いですが
少なくとも自分の周囲のスクリプト業務をこなす方々は、そこまで報酬が低いわけでもなく
割と専門的な知識を必要とする、技術職である。という受け取られ方をしています。
以上の話は、開発初期などのプロジェクトにおける
ゲームスクリプターの業務についてです。
もちろん、運営が安定している・シリーズIPを持っている会社などのプロジェクトは
開発環境が綺麗に整備されているため、登竜門になり得る難易度の低い業務もあります。
ただゲームスクリプター全般が簡単で、誰でも出来る仕事。
のように受け取られるのは業務内容との軋轢が産みやすくなるため
認識の相違は無くしていきたいなぁ・・・と思っています。
次回は、スケジュール遅延はどう対応するのか。などを記事にしたいと思います。